ミホちゃんとナオちゃん

ワタシの母＝ミホちゃん（秋田県在住・51歳）は、毎晩酒を飲む。
ひとりで酒飲んで酔っぱらって、ふにゃふにゃになってから、
ワタシ（東京都在住）に電話をくれる。
「もすもすっアミちゃんっ、あたすよっ！　ミ・ホ・コっ！！」

ズーズー弁だわロレツはまわんないわだが、
『アミちゃんっ』『ミ・ホ・コっ！』だけはクリアーに聞こえる。
ミホちゃんは、名前や名詞は訛らないらしい。


先日、秋田の実家に電話をしたら
ミホちゃんの夫＝ワタシの義父＝ナオちゃんがでた。

ナオちゃん（51歳・彫刻を愛するバス運転手）は
ドモリながら言った。
「ああああアミちゃんっ、みみミホちゃんてばよ、
　黙ってれば一升も飲んだりするんだやっ。
　そそれだば、だだだダメだべやっ。」

ナオちゃんは、
『黙ってれば一升も飲んだりするんだやっ。』
のとこだけドモラなかった。
ナオちゃんは、事実を言うときはドモラないらしい。